現在は、男女雇用機会均等法があるので、基本的にはどの職業も男性または女性の仕事と分けられていることはない。
とはいっても実際は男性向けの仕事、女性向けの仕事があるのが実情である。
しかし、今でも「これは女性だけの仕事」と決まっている職業がある。それが助産師だ。
助産師は、以前は「産婆」と呼ばれていて、女性が出産するときの世話や援助をする仕事だ。
昔は文字通り経験豊富な女性がその役についていたようだが、現代ではちゃんとした資格を必要とする職業でもある。
助産師になるためには看護師資格を取った上で一定の勉強をして助産師国家試験に合格しなくてはならない。
通常助産師が働くのは産婦人科医院や保健所だが、助産師には開業権があるので個人で助産院を開業していることもある。
一般の看護師や保健師ならば男女どちらでもなることができるが、助産師の資格だけは女性しか取ることができない。
男女雇用機会均等法に伴い、一時は男性の助産師をという意見もあったようだが、
現実の仕事を考えた場合に無理があるということで見送られた。
確かに産婦人科の医師には男性もいるが、出産を控えた妊産婦にとってはやはり女性に対応してもらった方がいいに決まっている。
近頃では女性の医師のみがいることを売りにしている産婦人科もあるほどだ。
助産師の仕事は単に産婦人科の看護師というわけではなく、妊産婦に対する保険指導や子育て支援なども含まれる。
妊婦だけでなくその夫も含めて育児の相談に乗ることもあり、トータルなケアができなければならない。
現状、助産師は唯一の完全な女性の仕事だが、女性ならではの視点を持ってケアを行える資質が必要な仕事でもある。